2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

落語本蒐集四十年 ⑥ ◎懐かしの落語本屋 「篠原書店」の巻(続き)

◎懐かしの落語本屋 「篠原書店」の巻(続き) 前月号で、今はなきあの懐かしい篠原書店の思い出をお話した。私は、かつての篠原書店のような味のある古本屋を訪ね歩くことを無上の楽しみにしている。見知らぬ土地に出かけ、そして、思いがけない店で思いがけ…

落語本蒐集四十年 ⑤ 懐かしの落語本屋 「西麻布・篠原書店」の巻

◎懐かしの落語本屋 「西麻布・篠原書店」の巻 篠原書店は西麻布の交叉点を高樹町の方向に向かって一本目の細道を左に曲り、少し歩くと右手にある繁成寺の敷地内にあった。むかしは麻布笄町とよばれたところである。白っちゃけたビルが建ち並ぶ六本木から霞坂…

落語本蒐集四十年 ⑦ ◎懐かしの落語本屋 「谷中・鶉屋書店」の巻

鶉屋書店を教えてくれたのは、日大文理学部落語研究会の仲間で、地元日暮里生まれの福田喜久男君である。昭和四十一年春、例会の帰りに一緒に行ったのが最初だった。日暮里駅の谷中方面の出口を出ると、御殿坂というなだらかな坂になっている。この坂を登りきり…

神田のうた⑫『復興神田音頭』 

東京が本格的な空襲を受けるようになるのは、昭和十九年十一月二十四日からである。占領されたマリアナ諸島の基地から飛んできたB29重爆撃機による爆撃であった。この日から、昭和二十年八月十五日の終戦までの九か月の間、空襲は休みなく続けられたので…

神田のうた⑪美空ひばりの『お祭りマンボ』

お祭りを歌った流行歌は沢山あるが、その中で一曲を選ぶならば、私がぱっと頭に浮かぶのは美空ひばりの『お祭りマンボ』である。 きっぷよくて、お人好し、賑やかなことが好きで、そして、ちょっとおっちょこちょいといった江戸っ子の気風がこの歌からみなぎ…

神田のうた⑩奥村五百子と『愛国婦人会音頭』

『愛国婦人会音頭』千代田区役所の正面右側の植え込みの中に、小さな石碑が三つ並んで建っている。 右が「日本体育會体操学校之跡」、中央が「愛國婦人會発祥之地」、左が「九段精華学校発祥之地」の碑である。よほど注意して見ないと通り過ぎてしまうほど目…